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「デメター有機野菜農家よりご挨拶」
お元気ですか?〜

中島淳太郎(ドイツ研修生:大阪府出身)
 

 ドイツ中島淳太郎研修生はデメター有機野菜農家に配属されています。人智学、哲学、天文学的要素が強いシュタイナー農法(バイオダイナミック農法)と日々触れる彼の生活に密着した手紙を紹介しましょう。

6月某日
 今日和。お元気ですか?きっと元気なことでしょう。今日はたしか夏至だったと思います。こんなに日が長いと太陽さんは大忙し。お月様はサボりすぎです。ボクは毎日宇宙の力を感じています。みんなのところで5月11日に植えたハツカダイコンはきれいに収穫できましたか?ボクのところは変な形がいっぱいでした。違う日に植えたのはきれいにできたのに。実は5月11日は金星が太陽の軌道を通過する日で種まきとか定植には良くないらしいって聞きました。宇宙の神秘を感じた一時でした。とは言ってもここは大体普通の農家です。ちょっと朝に太陽とか月とか星の位置とか調べてたまにそれに従って作業(定植とか)を決めるだけです。

 ところで、この間まで困っていた事がありました。それはシャワー室の天上が斜めである事です。そのせいで部屋の3分の1は余り使えないし、立ってシャワーを浴びることはできません。いつもしゃがんでいます。だけどそんな斜めな生活にも慣れました。

 うちの農場にはいろんな人がいます。思想的なシェフ、スーパーマリオみたいな温室のマイスター、かっこいい機械をいじっている人、パイプを吸っている家畜担当のおじさん、自転車好きで絶対にゆっくりとか分かり易くとか話してくれないけどボクは良い人だと信じている人。そしてゆっくり喋ってくれるけど難しい事言ってくる人。いつもテンションが高い人は仕事中歌ったり――歌ったり。あとおいしいご飯を作ってくれる人。ボクは良い人たちに恵まれました。毎日楽しく過ごしています。しかもここはとても空がきれいです。ただ最近乾燥気味で困ります。渇水かも・・・。

 さて、みんなの畑には葉がシソみたいな形で触るとチクチクする困った植物(イラクサ)はありますか?その植物を一晩水に浸してその液を葉っぱにかけてみましょう。それは作物にとって良い影響を及ぼします。成長のバランスを整えてくれます。

 ではでは、さようなら。