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農大入学前から決めていた海外研修へ
スイスから第一報をお届け!
<連載
第1回
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柿谷信実(スイス研修生:高知県出身)
私は外国に行くのがスゴく好きです。なぜなら、(1)そこでは今までの私を知らない人ばかりで私のキャラクターが真っ白な所から作れるから。(2)文化の違いがあり、今までの「あたりまえ」が例外だったり、その逆もある。今までの常識が通用しないことがパラパラあるから。
私が農大に入学が決まり、合格者説明会に行った時、「卒業後、海外派遣に行く例もある」と聞き、入学もしないうちに、卒業後の希望は決まってしまいました。
海外派遣研修とは、アメリカやヨーロッパに1年間(男子なら米国2年間も可)研修生として行けるプログラムで、国際農業者交流協会がやっているものでした。
話は変わりますが、私の家は非農家で、高校は家政科を卒業した私が何故農大に入学を希望したかというと、将来「自給自足」をするために、野菜の作り方を勉強したいと思ったからです。なぜ自給自足をしたいかというと、日本の自給率の低さと、日本の政治家の頼りなさから、自分は自分で守らないと生きられない時が来るかもしれない! と本気で思ったからです。
「男なんかに負けてられっか!」と意気込んで、頭を丸めてピンクの実習服で作業をしましたが、農大では、私の思い描いていた「農業」はこなごなに砕かれ、お金で働く農業を知りました。最初は「クソったれ!」と思っていた農大生活でしたが、慣れればバカ楽しく(すごーく楽しく)なり、猿みたいにはしゃいでいるうちに2年間は終わってしまいました。
農大生活を「クソったれ」と思っていた頃、この新聞に、その時ドイツに行っている研修生の記事が載っていました。国際農業者交流協会を通して、ドイツでシュタイナー農法をやっている農家に配属されていて、しかもお隣の愛媛農大を卒業した男の人でした。それなら私も「もしかしたら、もしかしたら本当に海外研修に行けるかも!」と思ったわけで、なんとか農大を辞めずに続けることにしたわけです。
それまで私は、海外研修先は家政研修もできるスイスに行きたいと思っていましたが、この記事で、絶対ドイツに行きたい! と思いました。が、選考結果、農大での2年間の経験だけではドイツでの研修は難しいらしく、第2希望のスイスに行くことになりました。そして今、スイスから、今度は私が記事を書かせてもらってるわけです。
でも本当に去年の今頃は本気でスイスに行けるとは思わなかったけれど、今、私はスイスにいます。
「為せば成る、為さねば成らぬ、何事も…」このことわざは本当だなぁーと思う、今日この頃です 。
※この原稿は『農村報知新聞4月号』に掲載されたものです。
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