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スイスの日々はけっこう楽ちん
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第3回
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柿谷信実(スイス研修生:高知県出身)
★ 『ノブ』こと柿谷信実さんは、農業大学校在学中の去年の秋、「先進農家留学研修」で、山下農園に行きました。無農薬有機農業を実践している山下農園で、数々の貴重な体験をしてとても勉強になったという柿谷さん。今回の「ノブのスイス日記」は、お世話になった山下さんへの手紙という形で書いてくれました。★
拝啓 山下一穂様
元気でお過ごしですかー? みーちゃんですよー!! 元気にしてますよー!! 山下家で一カ月研修した時みたいにこっちでも良い子ちゃんやってます! スイスの食べ物は、さしみがないのとジャガイモが主食あつかいされている位で、日本とたいして変わりない洋食を毎日たべてます。山下家ではみどりさんのおいしい料理をつい食べ過ぎて二キロ太りましたね! こっちでもまた食べ過ぎてたぶん五キロくらい太りました! 帰るまでにはやせるつもりです……本当は農作業をバリバリやってムッチョになって日本に帰りたかったんですけど、あたしの仕事内容でムッチョはチョットムリみたいです。毎日掃除機が相方で、家の掃除をして言われるままに野菜を切ってお昼の準備をします。
農作業は多くて一日たったの三時間です。農作業といっても出荷調整とかトマトの摘葉とかで、力仕事はありません。たまーにお庭のおていれもします。あたしが配属された農家はクソでかくて、五二ヘクタールの土地を持っているらしい(まだ全部見たことないですけど…)です。そして有機じゃないです。(スイスの農業は有機が一〇%……国の補助がないと農家はやっていけないらしいです、そして、循環型のIP農法が九〇%)。それとー全自動ハウスが三ヘクタール近くあるんですけど、今は全部ロックのトマトとキュウリです。使い終わったベットはどーするんでしょうねー? そのうち聞いてみようかなーと思ってます。まー概要はこのくらいで……。
せっかく一穂さんの本『超かんたん無農薬有機農業』を日本から持ってきたのに、この家では使えそうにないです。でも他の研修生の所は有機の所もあるんで、そっちに日本の有機農業技術! を流そうかなーと思ってます。かっこよくドイツ語ペラペラしゃべれたらいいんですけど、たぶん辞書を片手にカタコトのドイツ語で話すと思います…。他の研修生は死ぬほど働いてる所もあって、それを考えたら二週間であきてしまうほど簡単なあたしの仕事が幸せに思えます。とゆーか、こんな仕事しかしないのにスイスに住んでることが幸せやなーと思います。ものは考えよーによって不満にも満足にもなりますねー! かしこ
PS.一穂さんはみどりさんとラーメンたべながらいつまでもしやーわせに。帰ったらすぐ顔出します!
※この原稿は『農村報知新聞6月号』に掲載されたものです。
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