HOME
海外農業研修
海外便り
海外農業視察
イベント情報
海外研修生の受入
リンク
JAECとは
初めての方へ
書籍紹介
会員専用
メルマガ
TOP
>
海外からの便り
>
研修生便りバックナンバー
>
バックナンバー
私のハワイアンライフ!
若師よしの(ハワイ研修生:鹿児島県出身)
私が配属された農場は、ハワイ島のカイルア・コナから南に車で約30分行った山の中腹にあります。農場周辺にはコーヒーミル工場、マカダミアナッツ工場、プルメリアファームがあり、さすがハワイという感じです。
4月1日、ハワイ到着初日、狭い道幅の曲がりくねった道を通って、ボスの車でトレーニーハウスに向かう時、私は周りの景色を見てなんだか故郷の奄美大島を思い出しました。ハワイというとリゾート地、多くの観光客というイメージだと思いますが、ここビッグ・アイランドはコナ、ヒロ以外ははっきり言って田舎です。そしてさすが南国、4月ですでに真夏を感じ、この3ヶ月でかなり日に焼け黒くなりました。
この農場は蘭栽培が主で、他に野菜(トマト・キュウリ)、コーヒー、マカダミアナッツを栽培しています。コーヒーとマカダミアはまだ収穫時期ではないため、私はまだそれらの作業をしていないのですが、初めての体験になるので楽しみにしています。大まかな作業内容というと、蘭に関しては、かん水、支柱刺し、植え替え、レイ(首飾り)フラワー用の花摘み、花束作り、ラッピング等で、2週間に一回は殺虫剤散布をします。トマト、キュウリは、定植、誘引、除草、収穫、選別、箱詰め等です。
他に私は花の配達やワーカーを他の農場に連れて行くというのもしているので、ほぼ毎日運転しています。左ハンドル、右車線、配達用の大きなバンの車両感覚等に最初のうち苦労しながら、今では割りとスムーズに出来るようになったと思います。でも海外で事故は絶対に起こしたくないので油断は禁物です。
ところで、運転中、道をゆずってもらったり、割り込みさせてくれた時など、ありがとうの意味で、普通手をあげたりクラクションを鳴らしたりすると思うのですが、こちらでは握りこぶしの親指と小指だけを立てた、あのハワイ独特のサインをしてありがとうを表します。私は最初見た時さすがハワイ!と感動しました。それから私もまねしてやっています。
5月は、母の日、学校の卒業式という行事のおかげで、花のオーダーが多く毎日かなり忙しく定時の4時に終わる事はほとんどありませんでした。しかし、肩からバケツをさげ、蘭の花をピッキングする作業は、ハウスの中で暑くはありますが、私の好きな作業の一つです。摘んだ蘭の花を耳にかけるだけですぐハワイアン気分になれて、そうすると暑さも忘れます(少しは)。
ボスは日系人で、その日の朝にオーダーの説明をボスから受けるのですが、日本語と英語の混じった会話なので、早く英語だけで仕事の指示を理解できるようになりたいと思っています。ボスと直接会えない時は、携帯電話を持たされているので、それで指示を受けます。ボス以外にもワーカー、他の研修生達とも携帯で連絡を取り合うのですが、私の聞き取りがまだ十分でなく、何度も聞き直したりします。電話の受け答えがスラスラできて自然でスムーズにやりとりできる事が今の所の目標です。
ところでハワイの英語には、ハワイ語の単語が混じったり、独特の言い回し等があって、おもしろいのでそれを私たち研修生もまねして使っています。たとえば、食べることをハワイ語ではkaukau(カウカウ)と言うので、ランチタイムではなく、カウカウタイム!と言ってお昼にします。あいさつもhelloではなくaloha!ですし、ハワイ語交じりの英語で話すのは、なぜだか楽しい気分になれます。
この農場には研修生5人(日本人3人、ブラジル人2人)、メキシカンワーカー6人、フィリピン人ワーカー3人がいて、なかなかにぎやかに仕事をしております。スペイン語がかなり飛びかっていて、英語を話している時でも、単語がスペイン語だったりして、たまに自分でも混乱してしまいます。それで夜週1回ほど、ブラジル人の子とスペイン語を勉強しています。仕事で疲れて眠い時もありますが、今のところ順調にがんばっています。
休みは日曜日で、研修生みんなで海に出かけています。シュノーケリングで鮮やかな魚や亀なんかを見て、ぷかぷか浮いているとかなり癒されます。仕事での半袖焼けをなくす為と、あと私は地元人に間違われるほどの色に焼けたいと思っているので、サンオイルを塗ってボーっと日に当たり、みんなとおしゃべりしてビーチで過ごしています。そして家に帰る頃には明日からまた仕事がんばるぞー!という気持ちが出てきて、こんな感じで週末はリフレッシュしています。
ワシントン・モーゼスレイクでの1ヶ月の学生生活の後、ここに配属された当初私が感じた事は、当たり前の事なのですが、学生気分では労働はつとまらないという事でした。研修生といえども、この農場では立派な労働力と考えられ、徐々に任されることも多くなってきたので、気持ちをしっかり切り替える事が重要だと思いました。ここハワイに居る事ができるのもあと6ヶ月弱です。何気なく過ごして時が過ぎるのではなく、一日一日を大事にして充実した時を過ごし、そして達成感を持って農場を去る時を迎える事を目標に、ハワイアンライフを過ごして行きたいと思います。
※この原稿は『北米報知新聞7月10日号』に掲載されたものです。
インデックスへ戻る