-フィリピン技術協力事業 現地リポート-
No.5:家庭ごみコンポスト化が急速に拡大
こんにちは、中島です。
| 場欄外ホールに貼りだされた家庭ごみコンポスト化のポスター。「ホーム・コンポスト、台所ごみを管理しよう」とうたっている。 |
ごみ問題を解消するためにラ・トリニダッド町が初めて主催した「家庭ごみコンポスト化普及セミナー」が、先日9月9日にタワンというバランガイ(集落)で開催されました。 家庭ごみのコンポスト化は、日本の台所ごみ堆肥化技術を横森さんの指導により現地で普及する活動を始めたのがきっかけとなり、順次拡大していきました。現地で購入できる大型プラスチック容器(バケツ状)を用いて、これまでに町役場前やブヤガン集落など数箇所に設置してきましたが、この度町がこれを本格的に始める意向を固めたものです。 家庭ごみの堆肥化を推進するようになったのは、次のような背景があります。 現在、ラ・トリニダッド町のごみ堆積場は、2010年の12月いっぱいで閉鎖され、その後、アルノに建設した新しい堆積場へ搬入することになります。しかし、アルノのバランガイキャプテン(集落長)は、ごみを分別して分量を減らし、悪臭などを防がないと、集落としてはここにごみ堆積を受け入れることができないと話しています。そこで、この家庭ごみを分別してこれをコンポスト化し農地に還元することとしたのです。 今回のセミナーには、ラ・トリニダッド町長、農政課長と担当職員タワンのバランガイキャプテン(集落長)、町会議員、このプロジェクトの受益者である住民、そして、その他のバランガイの関係者など30名以上が参加しました。
| | タワン集落で開催された家庭ごみコンポスト技術導入開始イベント参加者 | 大型ポリバケツの底を抜き、これにふたをつけて、口の広い方を地面に埋める。このような容器2個をセットにして使う。タワン集落ではこれを15か所に設置する。 |
| ラ・トリニダッド町アルノ集落に建設されたごみ堆積場。地元では、分別収集を条件に受け入れる姿勢を示している。 |
主催者であるアバロス町長は、これからラ・トリニダッドは人口が増え、バギオと同じようにごみ問題がますます大きくなるので今のうちから対処できるように準備したい、と挨拶しました。 今回は15セットのドラムを準備しました。発酵促進のために使う微生物資材は、現在のところ横森、川崎が日本から持参していますが、これからは、町が現地で調達できるようなシステムを作る必要があり、これまでプロジェクトが指導した「ぼかし」製造技術を応用して自前で生産することを考えています。
このセミナーを終えて町農政課長は、この家庭ごみコンポスト化をすべてのバランガイで実践させ、ごみの分別、減量、リサイクルを推進していきたいと話していました。 私たちのベンゲット安全野菜栽培技術普及プロジェクトが現地で始めた家庭ごみ堆肥化活動が予想をはるかに上回る勢いで広がっていくのは、大変喜ばしいことです。
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