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-フィリピン技術協力事業 現地リポート-

No.7:盛況だった堆肥・木酢セミナー


 こんにちは、中島です。

 こちらはもうすでにクリスマスモードです。あちこちで、花火やクリスマスの装飾が売られていて、店も普段より華やいで見えます。

 ところで、前回お知らせした台風13号(10月18日ベンゲット通過)は、強風で野菜に甚大な被害を与えましたが、1ヶ月たった今は野菜生産も回復し、トレーディングポストの野菜相場も下がっています。去年の台風と違って、土砂崩れが起きなかったのは幸いでした。

 さて、プロジェクトでは、今年度7つの町で堆肥(コンポスト)製造施設を建設することにしていますが、アトック、カパンガン、キブンガンの3町では完成が間近になっています。
 そこで、この3町を回って、この施設を使った堆肥づくりの指導をじっくり行うこととし、横森さんにベンゲットへ来て貰い(10月30日〜11月13日)コンポスト作り方、木酢の使い方等のセミナーを行ないました。3町とも、一日単位のセミナーを2日続けて行いましたが、毎日50人近く集まるという盛況でした。

 今まで参加者は有機農家などに取り組む先進的な農家が多く、やや限られていた感じがありましたが、今回は経営規模大小など、いろいろな層の農家が集まり、関心の広がりを感じさせました。キブンガンでは、片道5時間をはるばる歩いてやってきた人もあります。

 セミナーは、コンポストの作り方のデモンストレーション、木酢の使い方のデモンストレーション、横森さんが実践している土づくり・安全野菜栽培技術の詳しい説明などでした。完成間近のコンポスト施設を目の前にしたデモンストレーションでしたので、研修生の興味も大きく、技術の理解も進みました。(キブンガンでは八分通り完成した施設を使いました。)3か所で行ったセミナーの模様は写真でご覧ください

 講師は横森さんですが、プロジェクトの現地スタッフであるリッキーもアシスタントとして詳しい説明を行いました。リッキーはこれまで横森さんから学んだ技術を農民に教える段階になっていると実感しました。この点でも現地への技術移転という目標が着実に進んでいます。

 プロジェクトでは、残り4つの町でも今年12月から来年2月に掛けて指導会を開催することにしています。

 もうひとつうれしいことがあります。3町のうちキブンガン町長はプロジェクトで建設したコンポスト施設と同じものを町内各地区に自費で建設する意向を示しました。予算の関係で何年かにわたって作るそうです。キブンガン町のほかにも、ツブライ町はすでに自費でコンポスト施設を作っています。こうやってベンゲット各地に施設が建設され、技術が根付いて来ることを期待しています。



アトック町セミナーで講義する横森さん
(11月5日)
アトック町で堆肥づくりの実演を行う
(11月5日)
カパンガン町のセミナーで、堆肥づくりの実演を行うリッキー(11月8日)
カパンガンの炭・木酢施設で指導を行う
(11月9日)
キブンガンでは、完成間近な堆肥施設でセミナーを行った。説明する横森さん(11月11日)
キブンガンの堆肥施設で堆肥材料の積み込み実演を行う(11月11日)



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