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-フィリピン技術協力事業 現地リポート-

No.32:環境保全型農業総合研修開催される

 
 本会がフィリピンで実施している野菜プロジェクトはいよいよ3年目、つまり最後の一年に入りました。これまでの成果を活かして少しでも現地農業の発展に貢献することができるよう、精いっぱい頑張ります。皆様のご声援をお願いします。

会場を埋め尽くした研修参加者(開会式)

 3年目の重点としていた、プロジェクト活動の成果を集大成し、現地農家の実践に役立つ技術の移転を目的とした環境保全型農業総合研修を、5月4、5日の2日間に亘ってベンゲット州ラ・トリニダッド町で開催しました。参加者は、地元や周辺町村の農民や農業関係者、プロジェクト実施のパートナー機関であるJAECAAP会員など合わせて106名に達しました。

 開会式では、地元ベンゲット州知事、農業省コーディレリア地域農政局長、ラ・トリニダッド町長がそれぞれ挨拶され、プロジェクトの2年間の成功を祝福し、今次研修への期待を表明されました。地域を管轄する農政局長と地方自治体の首長がそろってこうした研修の開会式に出席されるのは極めて異例のことだそうで、本プロジェクトに対する地元の並々ならぬ期待を感じざるをえません。更にこの技術をラ・トリニダッドばかりでなく広くベンゲット州、コーディレリア地方の農民に普及させるために、本プロジェクトの延長に強い希望も表明され、それぞれの方々の熱弁に予定の時間を大幅に越える開会式ともなりました。

 
開会式であいさつするラ・トリニダッド町のガルワン町長
開会式に列席したコーディレリア地域農政局ロドリゲス局長、ベンゲット州フォンワン知事、農業研修センターのフローレス所長

 研修プログラムは、基本は豊かで健全な土づくりなので、堆肥、炭、木酢を利用した土壌改良技術に重点を置いて編成しました。

 初日の午後にはラ・トリニダッド町営コンポストセンターで今年の2月にプロジェクトが設置した炭・木酢製造第2号プラントと堆肥製造技術改善実験施設を見ながら、炭・木酢の生産利用と堆肥づくり技術を説明しました。(これら2施設については次回の報告をご覧下さい。)

 第2日目の午前中は、ベンゲット大学構内にあるプロジェクトのデモファームにて、農家が自らできる堆肥づくりと炭・木酢を用いた土壌改良資材の作り方、利用方法を実習しました。午後は教室に戻り、土づくりに関する横森さんの講義、ビデオ上演のほか、プロジェクト参加者(ウェストモア、アイサック、ゴッドウィン、メルビン、ロメル)による体験発表を行ないました。

 
ベンゲット大学構内のデモファーム(ハウス内)で堆肥作りの実習をおこなう
自宅に設置した超小型木酢採取装置を説明する
ウェストモア


 盛り沢山の研修でしたが、2日間を通じて研修生は終始熱心に受講していました。

 ツブライ、イトゴン、ブギアスなどの出席者から、「プロジェクトの推奨する土づくり技術、炭木酢利用を実践したいので、横森さんに地元で指導してほしい」という要望が相次ぎ、反響の大きさに驚くと共に、大きな期待に応えていくために決意を新たにした次第です。


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