-フィリピン技術協力事業 現地リポート-
No.34:フィリピン研修生の現地視察研修
皆さんこんにちは
ラ・トリニダッド町からやってきた研修生14人は来日して1ヵ月半、元気に長野での研修に励んでいます。この度長野NPO法人と協力して現地視察研修を行いましたので報告します。
5月22日、下伊那郡高森町にある長野県南信農業試験場を見学しました。
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写真1:南信農業試験場で木下技師からイチゴ栽培の説明をいただく
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試験場では、イチゴの品種改良を担当している木下技師から説明をいただきました。その中で長野県の気候を活かした夏場の促成栽培は特に研修生の興味を引いたようです。
ラ・トリニダッドのイチゴは日本と同様に冬場に出荷されていますが、気象条件から見て、雨よけハウスをかければ5月から10月の雨期栽培が可能であると見られます。そうすれば端境期のイチゴは高値で販売でき、農家の所得向上に役立ちます。
また栽培ベッドが地上1メートルにある高設栽培もフィリピンにはないため興味津々でした。研修生たちはどういう品種を使うのか、栽培管理の方法はどうかなど盛んに質問していました。イチゴの栽培試験が行われているハウスの中で、実物を前にした説明は研修生にとっても非常に分かりやすいものでした。(写真1)
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写真2:イセキ農機野辺山支店でトラクターの運転を教わる
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2日目の23日は川上村にある農機具メーカーの販売店(イセキ、ヤンマー、クボタ)を訪問し、主にハンドトラクターのような小型機械の実物を見ながら、その機能や使い方を説明してもらいました。研修生は農業機械には非常に強い興味があるようで、説明者が実演を交えて説明するのを熱心に聞き入っていました。展示されている機械がフィリピンで購入できるかどうか、値段はどうかなどと多くの質問がありました。(写真2)
また受入れ農家でもある井澤さんの農場で堆肥作りと野菜の有機栽培技術を勉強しました。
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写真3:堆肥舎に隣接する事務室で、井澤さんから講義をいただく
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研修生が最初に見学したのが500平方メートルもあるガラスハウス内での有機ホウレンソウ栽培です。プラスチックマルチによる乾燥、雑草、害虫の防止、工夫に工夫を重ねた有機質肥料などを細かく説明してもらいました。
次に堆肥舎です。縦横各15メートルをこえるコンクリート床・壁の堆肥舎では床面に通風管を敷設して発酵を促す仕掛けになっています。堆肥原料としては、地域で入手可能な資材をできるだけ利用します。ここで毎年200トンの良質堆肥が生産され、農地には10アール当たり4トンが施用されています。井澤さんは、ここで作る堆肥を使って土壌改良することが自分の農業のキーポイントであると強調していました。(写真3)
こうした現地での研修を積み重ねて多くの知識や経験を得ることは、研修生個人の資質向上は勿論、現地で行なっている野菜栽培プロジェクトにとって、心強い援軍が増えることを意味します。
今回の研修は、受入れ農家である菊池さんや井澤さん、長野県農業普及員武井さんのお力添えやそれぞれの受入れ農家の皆様方のご支援により、実施することができました。
この場をお借りして、厚くお礼申し上げます。
Copy Right 社団法人国際農業者交流協会
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