-フィリピン技術協力事業 現地リポート- No.41:横森さんが
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家庭ごみコンポスト化の講演を行う横森氏 |
ラ・トリニダッド町は、野菜のトレーディングポストから排出される野菜屑のコンポスト化に早くから取り組んでおり、本会のプロジェクトでは実験施設を設置し試験をしたことは平成21年5月にNo33で紹介致しました。その後同町では外務省の草の根・人間の安全保障無償資金協力による新たな堆肥施設の建設が認められましたが、このことについては後日詳しく報告致します。
同町では野菜屑ばかりでなく、都市化の進行により家庭の台所から出るごみ(キッチン・ウェイスト)が急速に増えており、その処理が町の重要な課題となっていました。これを家庭ごとにコンポスト化して農地に還元すれば、環境保全と資源の有効活用、そして自治体のごみ処理負担の軽減という一石三鳥の効果が得られます。
このハウス・コンポストは、日本でも推奨され、今では多くの家庭が実践している家庭ごみを原料にして家庭ごとに堆肥を作ることです。簡単な容器を用いるシンプルな方式が普及のカギなので、フィリピンでも使えると思われたため、町長が横森さんに支援を要請したわけです。
ラ・トリニダッド市役所前に設置された
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町当局と共同で開催したセミナーは、町内のブヤガン・ポブラシオン地区の集会場で行いました。会場には100人を超える人々が詰めかけて、横森さんの講義・実演を興味深く見聞きし、盛んに質問していました。ラ・トリニダッド町ばかりでなく他の町からも参加者がありました。ベンゲット州農務部のベントレス部長の姿も見られました。
このあと、2月5日にも町役場前の広場で役場職員に対する実演を行いました。町当局は役場の前に容器を据え付けて生ごみの堆肥化を見せることにより、町民に実践を促しています。ハウス・コンポスト・セミナーはこの後も3月3日、13日にも町内で実施する予定です。
このハウス・コンポスティングがラ・トリニダッドで成功すれば、お隣の大都市バギオ市にも普及することは間違いないと思われます。やがてマニラ都市圏の住民もこれを実践するようになれば、私たちの小さな試みがフィリピン全土に波及するものと期待しています。