TOP > フィリピン技術協力事業 > 現地レポート(2) > 5

-フィリピン技術協力事業 平成26年度 現地リポート(2)-
(フィリピン安全農畜産業技術普及支援プロジェクト)

No.5:BSWMでのセミナー

 2007年からベンゲット州で行っている活動とは別に、2013年12月よりフィリピン国内でベンゲット州以外の14州を対象に新しいプロジェクトがスタートし、林田俊哉君が新プロジェクト現地調整員に就任しています。

 現在ベンゲット州で活動している古屋君とは別の視点で、林田君からもフィリピン現地の様子をレポートします。(平成26年度分)

7月9日にBSWM(Bureau of Soils and Water Management:フィリピン農業省 土壌・水利管理局)と共催したセミナーについてお伝えします。
BSWMテハダ局長挨拶

以前もこのウェブページでお伝えしたとおり、当プロジェクトではBSWMと連携して炭・木酢のリサーチを始めています。今回はその連携の一環としてケソンシティ内のBSWMのコンベンションホールにてセミナーを開催致しました。

当日は約110名の参加者がフィリピン全国から集まりました。DA(フィリピン農業省)各地域のオーガニックプログラム担当者、大学の研究者、オーガニックを実践している農家など、豪華な顔ぶれが出揃いました。BSWMからも多くの研究者が参加し、またBSWMディレクターのテハダ氏も終日参加していただくなど、セミナーは盛大なものとなりました。
BSWMオーガニック担当のカレンさんのプレゼンテーション

多くの参加者が前日入りしていたこともあり、フィリピンでは珍しくほぼ予定通りの時間に開始し(通常は1-2時間遅れで始まります)、先ずはディレクターの挨拶。その後、BSWMでオーガニックプログラムを担当しているカレンさんがフィリピンのオーガニック事情についてお話されました。フィリピンでは国を挙げて、オーガニック農業を推進しており、また消費者の安全野菜への関心も高まっています。

その後、私がJAECプロジェクトの概要を説明し、ベンゲット・プロジェクト現地調整員である古屋さんが「炭、木酢の農業への活用方法」についてのプレゼンテーションを行いました。ベンゲットのデモファームでの経験などについてのお話もあり、参加者の関心も非常に高かったように思います。

プロジェクトの説明
ベンゲット現地調整員の古屋さん

また、今回ベンゲット州ツブライ町からジェフリー農政課長にもスピーカーとして参加してもらい、同町のこれまでの取り組みについてお話をいただきました。同町は2008年からJAECのプロジェクトに参加しており、町の予算を使って、炭窯や堆肥施設を建設するなど、積極的にSAVERSに取り組んでいる自治体の一つです。

ツブライ町のジェフリー氏

セミナーは大成功だったと思います。最後の質疑応答では参加者からものすごい数の質問があり、予定の30分ではとても収まらず、答え切れなかった質問は私たちの宿題となりました。また、質問の質が非常に高く、私たちもこれからもっと勉強しないといけないと痛感しました。

質疑応答は大盛況
セミナーは大成功

特に、リサーチに関しては、今後BSWMと協力して進めていきたいと思っています。BSWMでは既に3つのリサーチセンター(タナイ、ブラカン、ブキドゥノン)での炭窯建設を決めており、本格的に研究を始める予定です。ここでSAVERSテクノロジーの有効性が確認されれば、普及に弾みがつくと考えています。

全員で記念撮影


Copy Right 公益社団法人国際農業者交流協会