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畜産ティーン育成プロジェクトは、日本中央競馬会(JRA)の畜産振興事業の支援により実施されています。
畜産ティーン育成プロジェクトとは
日本の畜産業は現在、労働力不足や担い手の減少、高齢化といった深刻な課題に直面しています。こうした状況を打破し、未来の畜産業を支える若手人材を育成するために、本事業では、若年層に畜産業の魅力を伝え、就農への意識を高めることを目的に、海外研修を中心とした研修プログラムを実施しています。
本プロジェクトでは、海外の畜産業を学ぶことで視野を広げるだけでなく、参加者自身が学びを発信する機会を設けることで、主体性やリーダーシップを養います。また、プロジェクトに参加した高校生たちが、畜産を身近に感じる機会のない一般の人や若年層に対して畜産の魅力を伝えることで、畜産業への関心を高め、就農意欲を向上させることも大きな目的の一つです。これにより、将来的な担い手確保にもつながることが期待されています。
また、本事業を通じて、次世代の畜産リーダーたちは、持続可能な社会の実現に向けた視点を培い、未来の畜産業と地球環境の両方にとってより良い社会を築くための努力を重ねていきます。異なる価値観を学び、柔軟な思考と協調性を身に付けることで、将来の畜産業を担うリーダーとしての自覚を深めていきます。
令和6年度の取組
事前研修(2024年6月10日~14日)
本事業の一環として、海外研修をより効果的にするための事前研修をオンライン形式で実施しました。参加者はプロジェクトの目的や意義について学び、日本の畜産業の現状に関する講義を受講しました。また、グループワークを通じて、研修先で学びたいことを整理しました。
•主な内容
oプロジェクト説明、自己紹介、グループワーク
o日本の酪農・食肉流通に関する講義
o先輩メンターによる体験談
o研修に向けた準備と事業推進委員からの激励メッセージ
渡航前研修(2024年7月22日)
オーストラリア・クイーンズランド州の農業事情や、安全管理、現地学習での注意点について学ぶ研修を実施しました。
海外研修(2024年8月5日~12日)
オーストラリア・クイーンズランド州北部のTableland地域で、高校生たちは畜産業の現場を視察しました。現地の畜産農家へのインタビュー、マランダ高校の学生との交流、ファームステイなどを通じて、異文化の中で畜産業の実態を学びました。現地での経験を通じて、日本との違いや持続可能な農業の在り方を考える貴重な機会となりました。
研修成果報告会(2024年8月14日)
帰国後、研修で得た学びを広めるため、成果報告会を開催しました。5名1組のグループでプレゼンテーションを行い、日本の畜産業の現状を踏まえた将来の可能性や希望について、力強く発表しました。これにより、参加者は自らの考えを発信する力を養うとともに、畜産業の発展に向けた意欲を高めました。
畜産アンバサダー活動
本プロジェクトの参加者たちは、研修で学んだ内容を地域社会や学校で発信する「畜産アンバサダー」として活動しました。
小中学校での講演や、全国5ブロックで開催された国際化対応営農研究会での発表などを通じて、畜産業の魅力を多くの人に伝えました。これらの取り組みを通じて、より多くの人々が畜産業への関心を高めるきっかけを作りました。
フォローアップ
これまでに事業に参加したメンバーの進路について、継続調査をしています。
以下の通りその結果を掲載します。
2025年フォローアップ調査結果(有効回答数93/118)
研修参加年度・研修先国 |
回答数 |
回答率 |
平成30年度ニュージーランド |
15 |
75.00% |
平成31年度ニュージーランド |
14 |
70.00% |
令和3年度デンマーク |
10 |
52.63% |
令和4年度デンマーク |
15 |
78.95% |
令和5年度オーストラリア |
19 |
95.00% |
令和6年度オーストラリア |
20 |
100.00% |
現時点の職業 |
人数 |
大学生(農業系(農学部・生物資源科学部等)) |
28 |
会社員(農業系(雇用就農含む)) |
14 |
会社員(農業系以外) |
9 |
農業大学校生(農業系の専門学校含む) |
12 |
農業高校生 |
8 |
農家(畜産・その他) |
6 |
大学生(農業系以外) |
5 |
研修生(農業系・その他) |
2 |
専門大学校生(農業系以外) |
1 |
農業高校教員 |
1 |
公務員 |
1 |
実習助手(農業) |
1 |
専業主婦 |
1 |
JICA海外協力隊 |
1 |
留学準備 |
1 |
フリーター |
1 |
留学(海外農業研修含む) |
1 |
回答 |
人数 |
畜産業に就きたい |
58 |
畜産業に就くことができない |
12 |
畜産業を続けたい |
19 |
畜産業を続けられない |
4 |
畜産に対するアイデア
令和6年度の事業参加者20名それぞれが、畜産業の魅力や自身の考えをイラストで表現しました。彼らの視点から見た畜産の未来に関するアイデアを、ぜひご覧ください。
過去の畜産ティーン育成プロジェクト 実施報告